11月3日、文化の日に、私たちが運営・管理している淡路島・洲本市内にある「YORISOI米田家」の裏にある蔵を改修し、蔵の子ども図書館「きぼうの図書館」をオープンさせた。
なぜ子ども図書館を創ったのか。
何の罪もない、未来のある子どもたちが地域にも気づかれることなく亡くなっていく「悔しさ」からである。
とくに2019年1月に千葉県野田市で起こった小学校4年生の栗原心愛さんの事件である。
学校も家も児童相談所も、心愛さんの命を救えなかった。
悔しい思いが込み上げた。
地域にできることはなかったのか?
子どもがまず助けを求める場所としては、「対面」する場所ではなく、「寄り添う」場所である方がよいと考えている。
「偶然の中で必然をつくる」自然な風景の中で、子どもの居場所をつくり支えていく。それが継続につながる。
また、図書館には本がある。本との出会いが希望につながることもある。
図書館は、どんな子も受け入れてくれる。誰も否定しない。
また、個を受け入れ、少し距離感を保ちながらも、見守り、聞かれれば、答えを導き出す案内をしてくれる。
そんなことから「図書館」にした。ただ、私設である。そこに想いを込めた。
「君は一人じゃないよ、ずっとそばに居るよ」と地域がやさしく包んでいるような場所になればと願っている。
小説家で劇作家の柳美里さんの言葉を引用したい。
「物語」を必要とする人は、苦しみを抱えている人だと考えています。
小説を読むということは、別の世界の扉を開いて、その世界に入り込むということです。
悲しみや苦しみを、自分一人で抱え込み、表に出せない。
その苦悩の中で、窒息してしまったり、溺れたりしてしまう―
人間にとって、一番苦しくて、つらいのは、「孤独」です。自分の苦しみを誰も理解してくれないことです。(柳美里さん)
淡路島から子どもの孤独をなくしたい。