最大の資源は市民力。
一昨日は、淡路市の岩屋に出張相談で行ってきました。

岩屋から大阪に出ていた岩屋出身の40代姉妹が、高齢化した両親をみると共に、自宅又は、岩屋のどこかで高齢者等の住民がワンコインで集えて、お茶を飲んだり、体操したり、簡単な仕事をしたり、休日には、観光客を泊めたりできればと考えている。
いろんな規制があり、一筋縄ではいかない。

この日、まちの資源を探るべく、岩屋全体を案内してもらった。
いろんな計画が動いているようだが、土曜日のせいか、計画が動いている気配は感じなかった。
人を感じたのは、銭湯を盛り上げ、保存しようと店を出しているハイボール屋さんと、路地を入ったところにあった魚屋さん。

そして、島外からの人の姿は、山の上にある温泉と、明石海峡大橋の下にある道の駅。
建物や計画として目立つのは、パソナさんの存在。
廃園となった保育園が道沿いに見え、入れないようにロープが張ってあった。
小学校では、住民の方が、何か集まってやっていた。
この小学校には珍しく、屋根付きの相撲土俵がある。
そんなに広いまちではないが、近い距離に各町内会の会館やコミニティセンターがある。
海が見える高台には、島外から移り住んだ人の家や別荘もある。
何と言っても、目の前の明石大橋と海峡の海は絶景である。
それぞれが価値を持ちながらも、地域として、住んでいる人とつながっているのかはわからない。
もともと住民とつながる必要のないものなのか?
大災害が起きた時、地域のつながりの強さが見えてくる。

案内してくれた姉妹は、行政や地元の組織などを訪ねて行ったが、現状では難しいと言われて相談に来ている。
行政も組織も、それぞれが立場と限界を持ち動いているので、当然に難しいところはある。
少子高齢化、行政をはじめ、各機関も、財政面でも、人材面でも、能力面でも万能ではない。
行政も地域組織も企業も、そして住民も、総合力で、これからの地域課題解決に向けて、知恵を出していくことが必要だろう。
今回のように、地域課題を自分ごとにして、動こうとしている住民が増えると地域の力は強くなる。
「結局、行政や大きな組織でないと地域は変えられない」と思ってしまうようなことがないように願いたい。
災害時、公助、自助だけでは限界がある。
とくに少子高齢化が進み、単独世帯が増える現状ではなおさらである。

昨年度、岩屋出身で、島外の製菓学校から、島外のケーキ店で働いていた20代の女性が、故郷の岩屋でケーキ店を出すことを検討していたが、結局、東浦に店を出した。
島内に戻ってくれたことはうれしい。

かつて五斗長営農の高田さんが、
「若い子が進学等で島外に出るのは仕方がない」「戻って来たいと思える淡路島でありたい」と言われていた。
戻って来てくれた人たちをサポートし、応援する島であってほしいと願う。
地域の眠っている最大の資源は市民力だから。