一期一会
「淡路島のコミュニティ・ビジネスを卒論にしたいんです」と数日前に電話があった。
淡路島はその学生が生まれ育った場所。
今は大阪の大学に通うため、島を出ている。
大企業に就職が決まっているが、卒論には、故郷の未来を想う気持ちを乗せる。
その故郷を思う気持ちに、できる限りのことで応えてあげたかった。
昨日、洲本市本町商店街のプラチナプラザで会い、私なりの知見を通して、コミュニティ・ビジネスを解説した。
県内外のコミュニティ・ビジネスの事例を紹介するとともに、現在、淡路島で取り組んでいるコミュニティ・ビジネスのプロジェクトを紹介。
とくに、実際に関わっている淡路島まちかどマルシェや北淡地域の事例。そして、洲本市本町7丁目で工事が始まる「YORISOI米田家」プロジェクト。
淡路島まちかどマルシェと「YORISOI米田家」は現場を見てもらい説明した。
経営学部の学生だ。「共感」や「市民のエンパワーメント」「コレクティブインパクト」など、コミュニティ・ビジネスならではの要素を実感に近いかたちで、理解してもらえたと思う。
やがて世界に出て行く青年かもしれない。
この一期一会の出会いが世界と未来を変えることにつながると信じている。
ある人が「淡路島には大学がないのだから、出て行くのは仕様がない」「しかし、いつか帰って来たい、と思えるような島でありたい」と語っていた。
帰りたくなる大きな動機に、人のぬくもりがあると思っている。
洲本市本町商店街の古民家「YORISOI米田家」は、そんなぬくもりを感じられる場所にしたい。
帰ってくるか、来ないかはわからない。ただ、いつまでも心の中に、ぬくもりの思い出とともにある島であってほしいと願っている。